破綻したセミリタイアブロガーから学べること
成功した者から成功論を学ぶより
失敗した者から何故失敗したのか学ぶ方が価値が高いことがある
Nさんというセミリタイアを目指したブロガー
3年前ぐらいから知っていたのですが、当時は数多くいるセミリタイアブロガーの中の1人という感じで特に有名というわけではなかったと思います
彼がセミリタイアしたのは2018年1月、2年間すら持たずに資産の多くを溶かしてしまい、それと同時期に裏垢がバレ炎上してセミリタイア界隈から消えてしまいました
つまりセミリタイアブロガーとして破綻してしまったわけです
そんなNさんについて語ろうかなと思う
【目 次】
セミリタイアブロガーとイケハヤ系の脱社畜論
セミリタイアブロガーには趣味嗜好や資産規模の違いにより様々な人がいると思いますが収支だけでみると大きく3種類に分かれます
最も安定しているグループで配当金や不動産収入など不労所得を主軸にして
足りない分は資産を切り崩して生活している人たちです
資産規模によりライフスタイルは本当にピンキリですが、最低でも資産7000~8000万円ぐらいは保有していると思われます
次のグループは節約して生活費を最小限に抑えて
少々の配当金や資産取り崩しによって生活費を確保して、足りない分は労働で賄うという方法です
このグループは収支に対してかなりシビアなので、普通に考えるとドンドンお金がなくなりそうですが、ブログをみている限り、消費によって資産が減ることがほとんどない自己管理がきっちり出来ている人たちです
この方法だとライフスタイルにもよりますが、徹底した節約生活が出来るなら資産2000~3000万円台でもセミリタイア可能です
そして最後のグループですが
節約系セミリタイアグループにエントリーできる2000万円台の資産すらないけどセミリタイアしたい(会社辞めて自由になりたい)
セミリタイアというより自営業、フリーランスとして生きたいというグループです
そのため、資産は一般的なセミリタイアブロガーより少ない人が多いです
そんな人たちにイケハヤ系の脱社畜論が少し前に流行りました
社畜なんて辞めよう。
好きなことをして稼げる時代なのだから
ブログを運営して広告(アドセンス)収入を得よう
1つのブログで月数十万円稼げなくても、複数のブログで数万円ずつ稼ぐ、また数千円ずつ稼ぎトータルで生活が出来るぐらい収入を得ようと・・
当時はそんなブログ運営で本当にそれが実現できた人が実際に何人もいた恵まれた時代でした
例えば2年間はそのブログビジネスが生活費を上回るための期間として事業計画を立てるとたった2年間の生活費さえ貯金できればこの方法で上手くいけばセミリタイアできるわけです
昔からIT関連の起業は自分とノートブックと必要なソフトウェアとスキルだけでチャレンジ可能な資本金があまり必要としない分野でしたが、自分が趣味嗜好で書ける程度のブログ運営だけで生活費が稼げる可能性があるというのが意外と画期的であり、何もスキルもない無職でも主婦でも誰でも参入できる分野がブログビジネスでした
そんなブログビジネスに人生を掛けた多くの人たちの1人がNさんでした
のんびり屋で健全なNさん、だが徐々に・・・
Nさんのブログは不労所得で生活が出来るために奮闘しているブログです
セミリタイアのスタート時の資産はたった500万円です
主題はセミリタイアと外こもりであり、それらを記事にしてアドセンス収入を得る
外こもりに関しては興味があって、たまたま選んだパタヤという街に行き
その街がお気に入りになって、パタヤに何度も長期滞在することになります
女性に対しては真面目というか今まで1度も付き合ったことがなさそうという感じでフーゾクに通う男なんて最低だという思考です
真面目というか潔癖な人ほどフーゾクとかキャバクラ(水商売)を極端に嫌うものです
そんな超健全な外こもりブロガーがNさんでした
ブログの内容も平凡であり、特にこの内容が楽しくて読者になっているというのはないのですが、彼の人生はこれからどうなっていくのだろうか?と一種のRPG的な要素が強く、月数万円、多い時は10万円超えるほどのアドセンス収入を得られるブログになっていった
ただアンチが付くほど目立つわけでもないし、そもそも炎上する内容のブログでもない
はずなのだが何故かアンチから良くコメントが来たようで、私はその時は
何でこのブログにアンチが付くのだろう?と不思議でした
だが、自由に外こもりできる身分なのにパタヤ以外は全然興味を示さない
というのは確かに違和感は感じる
そしてセミリタイアしてから18か月後
貯金が100万円切ったと言い出します
そのあとに50万円も切ったともすぐに言い出す
元々の資金以外にブログ収入や失業保険などで収入はあったはずです
彼がブログで書いている通りの生活をしていれば、貯金が尽きるには早すぎます
親父さんと一緒に住んでいるので家賃や光熱費も掛からない生活なのだから
考えてみれば節約生活しているはずなのに年間300万円生活している私よりも生活水準が高い暮らしじゃないか苦笑
多くの読者が察したはずです
裏で何か浪費しているな
貯金が底をつきそうになれば、自由な時間を減らしてでも労働で稼ごうと思うのが普通だと思いますが、彼は借金してキャッシュを確保した上でまたパタヤに行くという
そこまでしてパタヤに行くぐらい中毒者なのだから、きっとお金はパタヤで浪費しているだろうと私も考え始めました
何故節約しているはずなのにこんなにも早く資金が尽きたのか?
その答えは Nさんの裏垢の発覚ではっきりと分かりました
その裏垢はKさんという名であれほど自分は嫌悪感を露わにしていたフーゾク系のブログを運営していたのです
内容が酷すぎてタイ界隈でプチ炎上したみたいでKさんのブログはNさんのパタヤ1回目の外こもりの時期でストップしていました
NさんとKさんのgoogleのアドセンスIDが一致したという事で同一人物というのは間違いないでしょう
多くの人は会社なんて辞めて自由に過ごしてみたいと1度は考えると思うけど、実際それをしたら人生どうなるのだろう?
30代でしばらく遊んでた男がまた社会復帰できるか?という点が大きな注目となります
ブログを続けていたら間違いなくPVが稼げる展開でした
またNさんは健全ブログなのでオフ会を積極的にしていました
Kさんは卑猥なブログなので身バレしたくないからオフ会は全くしませんでした
でも両者が同一人物だと分かれば、多くの人に正体がバレしてしまったわけでせっかくネットで繋がったブロガーとも縁を切ることになり、資産だけではなく人脈も失うことになった
パタヤという街の魔力
そもそもパタヤって何処なんだよ?と思う人は多いでしょう
パタヤはタイの首都バンコクから車で90分ぐらいのところにあるリゾート地です
ただ一般的なリゾート地とは違い、海が綺麗なわけではなく、とりあえずあるという感じでマリーンスポーツをやっているのは中国人ばかりです笑
シニアのファラン(白人)の長期滞在者が多く、昼間からだらだら酒飲んで過ごしている街ですので無職にとっては本当に快適でしょう
海外旅行したことがない人にイメージさせるのは難しいと思いますが
湘南の海沿いに治安が良くすごいオープンな雰囲気の新宿歌舞伎町があると考えてください笑
日本国内には存在しない街です
ホント毎日がパーティーみたいな街なのです
オープンなバーが街中に存在しているし、ウォーキングストリートにいくと多くのゴーゴーバーがあり、主に日中韓のアジア系と白人が遊んでいます
また都内にあるようなクラブ(DJがいる方)も何店舗もあります
昼間はだらだら過ごし、夜は飲み歩くというのがこの街の基本的な過ごし方です
節約系の外こもりには不向きな街ですが、楽しく過ごすには優れた歓楽街です
一般的な観光地は1度いけば満足ですが、パタヤはリピーターが多いです
そんなパタヤが持つ魔力にNさんは魅了したのでしょう
彼は一般的なセミリタイアがしたかったのではなく、会社辞めてタイで思う存分遊んで過ごしたかっただけなのかもしれません
思考と現実が乖離する計画は破綻に向かう
国内にいる時は月10万円以下の生活でタイに長期滞在するときも
飯は多少贅沢に食べても、航空券から現地での滞在費まで4週間で1回あたり平均15万円程度しか使わない外こもり生活
Nさんは「僕は月10万円もあれば生きていける(だから会社員にならなくても大丈夫)」
と書いてました
たぶん本人は本当にそう思っていたのかもしれません
本当にそうなら年収150万円ぐらいで大丈夫なので短期派遣やフリーターでもなんとかなりそうです
でも実際には家賃や光熱費を含めずに平均で月20万円以上使っているはずなので自分が考えている事(思考)と現実が乖離しています
どんな業種でも収支計画と現実の収支が乖離しているなら事業として破綻に向かうのは必然です
人間という生き物は腹くくっているつもりでも、失敗した時の挫折に耐えられない人が多いからです
だから失敗しても努力し続ける人は最後に成功するのかもしれないけどね
私個人的な考えで言えば、ネット広告は不況になれば単価が激減するのは見えているし
仮にNさんが相当うまく節約や運営しても生き残るのは難しかったのではないかと考えている
資本金が必要なく、気楽に誰でも参加できる分、超が付くほどレッドオーシャンな分野がブログビジネスです
参加するのにお金はほとんど必要ありませんが、時間という資産を大量に無駄にする可能性が高い分野なのです
破綻したセミリタイアブロガーから学べる事
本当にいい加減な計画だし、日記みたいなブログで生活費稼ごうなんて本気で考えているおバカ
「こんな人から学ぶことなんてないよ」と考える人は多いかもしれない
でも、世の中
計画と現実が乖離しているのに関わらず、そのまま突き進む人は少なくないです
頭が分かっているけど、楽しみたい、苦労したくない、現状維持したいという欲望が抑えられずに変えられない
私はそれが人間の本質なのだと考えています
人間というのは怠惰で頑張らない生き物だから
仕事でもプライベートでも計画と現実が乖離していると思ったら
それは上手くいかないから潔くやり方を変えるか、その道を諦める必要があります
Nさんは資産もスキルも退社後の準備がほとんど出来ていないのに会社を辞めて大きな挑戦をしてしまった理由は、自分が唯一脱社畜出来そうな方法にすがってしまったのだと思う
多くの人からすれば、無謀なチャレンジにしか見えなくても彼自身は複数のブログ運営で生計が立てられると信じた
そう信じなければ、充分な資金もないのに現状の苦しい生活から抜けられなかったから
もちろん実績がなくても自分を信じて何かにチャレンジするのは悪いことではないけど、それが現実的に本当に正しい方法なのか?
そして本当に成功する見込みがあるのか冷静に検討しないといけない
相手から見れば、無謀で愚かな行動にみえるけど
その本人からすれば、何度も考え抜いた結果であり、それが思い切った決断だったりする
人間の思い込みのパワーというのは結構強力なので、私が仮にセミリタイアした時は
他人からみれば、愚かな行為にしか見えないのかもしれないなと思う
虎の子の資産の多くを使い切り、繋がった人脈まで諦めないといけなかったNさんはいまどんな思いで生きているのだろうか?
自由になってから最初に見たパタヤの風景と借金してしばらく渡航できない最後の外こもりで見たパタヤの風景は全く色が違っただろう
3カ月以上更新されないブログやツイッターをみていると、無謀なチャレンジをしたツケを払っていかないといけない苦境に立っていて、会社員時代より厳しい立場に立っている人生を更新できない現状を移りだしているように思えてします